AIで瓶のラベルを構想する: 抜き型のスケッチから入稿データまで
架空のはちみつ瓶のラベルを作ります。先に抜き型と情報の優先順位を決め、ラベルの絵を生成し、文字、表示事項、バーコードは手で配置します。

最初から最後までこの依頼に沿って進めます。Hollow Oak という小さな生産者が、背の低い丸いガラス瓶でヘザーのはちみつを売っています。1シーズンに数百瓶ほどです。手作りらしく見えながら、混み合った市場の台の上でもはっきり読めるラベルが欲しいとのこと。この瓶のことはまだ何も決まっていないので、練習にちょうどいい題材です。画像モデルは1時間で壁一面をラベル案で埋められます。けれども瓶を測ることも、原材料を書くことも、読み取れるバーコードを作ることもできません。そして、これらをどの順番で進めるかで、構想が印刷所までたどり着くかどうかが決まります。
プロンプトではなく瓶から始める
生成の前に、抜き型を描きます。ラベルを切り抜く輪郭であり、瓶の上でラベルがとる形です。ラベルは曲面に巻き付ける平らなものなので、絵はその平らな形に合わせて作る必要があります。丸い瓶でよく使われる形は三つです。
- 巻きラベル: 瓶をほぼ一周する帯です。横に広く背が低い形。正面は真ん中の3分の1だけで、両端は瓶の裏側に隠れます。
- 正面ラベル: 長方形か楕円で、表示事項用に小さな裏ラベルを別に付けます。手で貼るのが簡単です。
- ふたの丸ラベル、またはふたをまたぐ帯: 封印としてよく使われます。小さく、上から見られます。
瓶は定規ではなく紙の帯で測ります。巻き付けて重なる位置に印を付け、平らにした帯を測ります。肩と底でガラスが内側にカーブする位置もメモしておきましょう。二方向に曲がる面には、ラベルは平らに貼れないからです。Hollow Oak では、はちみつが透けて見えるよう、背面にすき間を残した巻きラベルを選びます。その長方形をレイアウトソフトで実寸で描き、正面の中心に印を付けます。印刷を頼む相手がもう決まっているなら、今のうちにテンプレートをもらいましょう。印刷所は標準形状の抜き型を公開しています。
優先順位を言葉で決める
買い物客が一つの瓶に向ける時間は2秒ほどです。スタイルを考える前に、その間に伝わるべきことを順番に書き出します。
- 何か: はちみつ。いちばん大きく、一歩離れても読めること。
- 誰のものか: Hollow Oak。二番目で、マークか短いロゴタイプ。
- 何が違うか: ヘザー。三番目で、色や小さなバッジで示すことが多い。
- 必要な表示事項: 内容量、製造者、日付、バーコード。小さく落ち着いて、裏か側面に。
四番目は最も守るべき項目であり、決してモデルに描かせない項目でもあります。今のうちに抜き型の上に無地の長方形を確保しておけば、絵は空白の領域を囲むように育ち、あとから切り開く必要がなくなります。
配色と書体をプロンプトの言葉にする
瓶そのものも配色の一部です。はちみつでガラスはアンバー色に見えるので、ラベルまでアンバーに頼ると背景に溶け込んでしまいます。Hollow Oak には深いモスグリーンとクリーム色を与え、アンバーはイラストの中だけにします。これをモデルが使える言葉で書き出しましょう。色の名前、色数、刷られて見えるべき紙を指定します。文字のスタイルには、AIポスターのための書体の語彙 の言葉を使います。書体の系統(どっしりしたスラブセリフ、幅の狭いグロテスク)、太さ、幅です。こうした言葉は絵の雰囲気を導くもので、実際の文字はあとで組みます。
はちみつ瓶用のフラットなラベルアートワーク、横長の幅広い帯、小さな六角形とヘザーの小枝の繰り返し模様、深いモスグリーンとクリーム色に小さなアンバーのアクセント、非塗工紙へのシルクスクリーン印刷風、右側3分の1に大きな無地のクリーム色の長方形を完全に空白のまま残す、文字なし、レターなし、瓶なし、モックアップなし、平らな正面図絵は何回かに分けて生成する
プロンプトを何度も実行し、1回ごとに変えるのは一つだけにします。まず模様、次にイラスト、次に密度です。Ideogram V4.5 は、構図と文字を得意分野に挙げているので出発点に向いています。最も横長の比率は16:9で、巻きラベルほど横長ではありません。模様をタイル状に並べるか延長する、あるいは正面部分だけを生成して両端を無地の色で埋める計画を立てましょう。探索は低か中の品質で行い、高品質は最終候補のために取っておきます。良いもの五つをダウンロードし、決める前に抜き型の上に並べてみてください。正方形では豊かに見える絵も、帯に引き伸ばすとただのノイズになることがよくあります。
最終候補の一つがほぼ理想どおりなら、やり直さずに直します。Ideogram V4.5 Edit は、黒いピクセルで変更する範囲を示し、白いピクセルで残りを保つマスクを受け付けます。ヘザーの小枝だけを描き直したり、空白の枠から余計なものを消したりできます。絵にでたらめな文字が入ってしまった場合、Ideogram V3 Remove Text はフラットなグラフィックを文字と背景のレイヤーに分けると説明されており、偽の文字のない絵を土台にできます。
印刷前に描き直すもの、手で組むもの
多くの人が飛ばすのがこの部分で、構想がラベルになるのはここです。モデルが作ったものはすべて背景レイヤーとして扱い、残りはレイアウトソフトでその上に組み立てます。
- 本物の文字。 商品名、味、すべての言葉をライセンスのあるフォントで、テキストのままかアウトライン化して組みます。生成された文字は、綴りが正しくても決して印刷しないでください。字間や形が崩れています。ブランドのマークがスケッチから生まれたなら、ロゴ構想からベクターへのガイド のとおりにベクターで作り直しましょう。
- 表示事項。 食品ラベルには、販売する市場ごとの法律が定める情報が載ります。内容量、製造者の名称と住所、期限の表示、ロット番号などです。販売する地域のルールを調べ、文章は自分で書き、空白の領域に読める大きさで組みます。
- バーコード。 実際に登録された番号から、バーコード用ソフトでベクターとして作ります。明るい地に暗いバーを保ち、周囲の余白(クワイエットゾーン)を空けておき、刷り上がった校正紙をスマートフォンのスキャナーで試しましょう。
- 塗り足しと安全領域。 背景の絵を四辺ともカットラインの外へ数ミリ延ばし、断裁が少しずれても白い縁が出ないようにします。文字はすべて十分に内側へ。余白の寸法は印刷所の指定に従います。
- 解像度と色。 選んだ絵を、元に忠実な設定で印刷サイズまで拡大します。Crystal Upscaler には創造性のスライダーがあり、0 なら架空のディテールを足しません。その後、印刷所のカラープロファイルに変換します。緑は色がずれると思っておき、印刷した校正紙を頼みましょう。
部数が少なく、1色刷りや活版印刷で足りるなら、絵の準備の仕方が変わります。1色刷りのルール で解説しています。瓶が袋、カード、看板などからなる大きなシリーズの一部なら、架空のロースタリーのブランドアイデンティティボード のようなボードから始めましょう。そうすればラベルは配色を新たに考え出すのではなく、受け継ぐことができます。
構想が終わるところ
この工程で手元に残るのは、入稿できる構想です。実寸の抜き型、ライセンスのある書体、自分で書いた表示事項、本物のバーコード、塗り足し付きの絵。ここで扱わないのは素材です。紙かフィルムか、光沢かマットか、冷蔵庫に入る瓶で粘着剤がもつかどうか。これらはすべて印刷所との相談事項で、本物の瓶での短いテスト刷りは、はがれてしまう本番の全数より安く済みます。画像モデルと編集モデルは /models で探せます。自分のラベルの絵は スタジオ で始めましょう。
よくある質問
AI画像モデルで入稿できるラベルは作れますか?
ラベルの絵は作れます。抜き型、本物の文字、表示事項、バーコード、塗り足し、色の変換はレイアウトソフトで手作業で行います。モデルは瓶を測れず、表示のルールも知らないからです。
モデルがラベルに偽の文字を書かないようにするには?
プロンプトに「文字なし、レターなし」と書き、空白の枠を位置で指定します。それでも文字が出たら、編集モデルでマスクして消すか、文字と背景を分離し、その上に自分の言葉を組みます。
なぜ生成より先に抜き型を描くのですか?
絵は、丸い瓶に巻き付く平らな形に収まらなければならないからです。幅、見える正面、空白の情報領域を先に知っておけば、あとで切り分けなければならない絵を生成せずに済みます。